ビールのスタイル
●エール
上面発酵。常温(15〜25度)で発酵を行う。酵母が活発に繁殖し、炭酸ガスと共に液の上面に浮かび上がる。
各種エール、ポーター、スタウト、ヴァイツェン、等。
●ラガー
下面発酵。低音(5〜15度)で4〜6週間かけて発酵を行う。ゆっくりと酵母が繁殖し、発酵が終わると下に沈む。ピルスナー、ボック、等。
●ランビック
自然発酵。醸造所内の自然酵母で発酵させて作る。チェリーやフランポワーズで味付けしたものも多い。ベルギーのランビックのみ。
イギリス系
★ペール・エール
イギリス発祥。淡色(ペール)上面発酵(エール)ビール。赤褐色のものが多い。フルーティーな香りが特徴。酸味や苦味もある。4.5-5.5%。バス、フラーズ、ヤング、等
★ブラウン・エール
イギリス発祥。ロースト麦芽を使用。明るい茶色のビール。苦味が弱く、アルコール度数も比較的低い。4.0-5.5%。ニューキャッスル、等
★ポーター
イギリス発祥。ロースト麦芽を使用。芳香な風味とホップの苦さが味わえる。20世紀に入ってから消滅したが、再びよみがえった。フラーズ・ロンドン・ポーター、等
★スタウト
ギネス社がポーターの製造法を改良。ロースト大麦(麦芽に限らない)を使用。黒色でホップが強く深い苦味があり、芳醇な風味である。3.0-8.0%。ギネス、ヤング・ダブルチョコレート、オールド・ラスプーチン(アメリカ)、等
★インディア・ペール・エール(IPA)
大航海時代にイギリスからインドへの長い船旅に耐えられるよう、麦芽を1.5倍、ホップを4倍使用。苦味が強く、高濃度でコクがある。5.0-7.5%。ストーン、バラストポイント、ベアーリパブリック、グリーンフラッシュ(全てアメリカ)、等
ベルギー系
★トラピスト・ビール
修道院で造られるビール。ベルギー国内の6ヶ所とオランダの1ヶ所。色や味はさまざまで、アルコール度数が高く濃厚なものが多い。オルヴァル、シメイ、ロッシュホール、等
★アビイ・ビール
修道院(アビイ)から委託を受けて一般の醸造所によって造られるビール。トラピストビールと同様、味や色はビールによって異なる。レフ、等
★ホワイト・ビール
大麦に加えて、小麦(または小麦麦芽)を大量に使用して造られるビール。色は霞がかった薄黄色で、泡持ちがよく、さわやかな香りと酸味が特徴。ヒューガルデン、セリス・ホワイト、等
★ブラウン・ビール
東フランダース地方の茶褐色のビール。一時発酵の新しいビールと、以前に仕込んだ古いビールを混ぜて発酵させるため、複雑な味わいがある。リーフマンス・グーデンバンド、等
★セゾン・ビール
農家が冬の間に仕込んで、夏に飲むために貯蔵しておいたビール。アルコール度数は低め。オレンジ色でフルーティな味わいが特徴。ボン・ヴー、セゾン・デュポン、ウルション、サンフーヤン・セゾン、モアネット、等
★ゴールデン・エール
日本のビールよりもさらに淡く美しい金色で、アルコール度数が高く、コクはあるが口当たりまろやか。デュベル、デリリウム、ギロチン、等
★レッド・ビール
赤大麦の麦芽を使用しているため深い赤色。さわやかな酸味を持ったビールで、発酵後、巨大なオーク樽に入れて熟成させる。ローデンバッハ、等
★ランビック
通常の酵母ではなく、野生酵母によって発酵させる、強い酸味が特徴の伝統的なビール。ブーン、等
★スペシャル・ビール
べルギーには他のカテゴリーのどれにも属さない多くの地ビールがる。それぞれ造られる地域の風土と深く関わった個性的なビールで、味わいはさまざま。ストラッフェ、ヒューガルデン、等
ドイツ系
★ヴァイツェン
ドイツ発祥。小麦麦芽を50%以上使用している。フルーティーですっきりとした味わいが特徴。4.9-5.5%。ヴァイエンシュテファン、エーデルワイス(オーストリア)、等
★ボック
ドイツ語で「強い」ビール。金茶色がかった黄色やダークブラウンで、麦芽風味が強く、ホップの苦味も強い。6.0-8.0%。デットガイ(マイボック アメリカ)、等
★ヴァイツェン・ボック
普通のヴァイツェンより麦を沢山使っている。しかし苦みは少なくてフルーティーな味わいはヴァイツェンそのまま。アルコール度数は8%程度。エルディンガー・ピカントゥス、等
★ラオホ
燻製ビール。麦芽を燻製にして使用。その香りと燻した茶色をビールにまで引き継いでいて、独特のスモーク香とスモーキーな味わいがする。シュレンケルラ・ラオホビア、等
チェコ系
★ピルスナー
チェコ発祥。日本の大手ビール会社が醸造しているものはほとんどピルスナー。淡色で、ホップの苦味が強く、炭酸が効いている。ピルスナー・ウルケル、ブドヴァー、ヴァルシュタイナー(ドイツ)、等